吸光光度法によるジフェニルジスルフィドおよびチアントレンの定量
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概要
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ジフェニルジスルフィドとチアントレンとの分離定量法を研究した.ジフェニルジスルフィドおよびチアントレンは濃硫酸中でピンクに着色し,吸収極大波長546mμにおける吸光度は濃度に比例する.一方,ジフェニルジスルフィドおよびチアントレンを含むベンゼン溶液から,これらを濃硫酸中に抽出すると,チアントレンはすみやかに移行するがジフェニルジスルフィドはほとんど抽出されない.また,ベンゼン中でジフェニルジスルフィド,チアントレンともに280mμに吸収極大を示すので,この波長の吸光度を測定してジフェニルジスルフィド,チアントレンの合量を求め,ベンゼン溶液から濃硫酸に抽出された546mμの吸収をもってチアントレンの量とする.ジフェニルジスルフィドは両者の差より求める.この方法によりジフェニルジスルフィド4×10<SUP>-5</SUP>,チアントレン6×10<SUP>-5</SUP><I>M</I>まで,また,その存在比は9:1から1:7まで精度よく定量できた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文