鉛および鉛合金中の微量銀の吸光光度定量
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概要
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鉛地金およびケーブルシース用鉛合金(スズ,アンチモン2~3%入)中の微量の銀を,ジエチルジチオカルバミン酸銅-ベンゼン溶液により,減衰吸光光度定量する方法を検討した.すなわち,ジエチルジチオカルバミン酸銅が銀と置換反応を生じ,その吸光度が減衰することを利用した方法である.<BR>試料の過塩素酸溶液から銀を塩化鉛の一部と共沈分離したのち,沈殿をクエン酸とアンモニア水で溶解し,pHを8にして,ジエチルジチオカルバミン酸銅-ベンゼン溶液で抽出し,吸光度を測定して原液の吸光度との差から銀を定量した.<BR>本法は試料10g採取の場合,0.5ppm程度までの銀が定量できる.妨害元素は水銀のみであるが,通常,水銀は試料中に含まれず,また含まれていても分離操作の過程で取り除かれるので,実際上,本法を妨害する元素は見当たらなかった.