ニンヒドリンによるカルボン酸ヒドラジドの呈色反応
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概要
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カルボン酸ヒドラジドはピリジン,アスコルビン酸の共存でニンヒドリンと反応してRuhemann Purpleを生成し,紫色に呈色する.呈色反応の中間体を合成し,その構造を推定した.また,呈色液中から酸アミドを分離確認し,α-アミノ酸のニンヒドリン反応と異なり,アスコルビン酸の存在が必要条件であることなどから本呈色反応の機構を推定した.<BR>従来のイソニアジドの比色定量法はいずれも芳香族アミンの共存では利用できないが,本呈色反応を利用することにより,スルファミン剤との混合製剤中のイソニアジドを比色定量することができた.また,ヒドラジン類は本呈色反応に陰牲であり,本呈色反応をカルボン酸ヒドラジドの選択的微量検出法として応用した.<BR>カルボン酸ヒドラジドはピリジン水溶液中でニンヒドリンと縮合して 2-hydroxy-2-hydrazo-1, 3-indandione 型化合物となり,熱により脱水してシッフ塩基型となり,直ちにヒドラゾ基の窒素の水素が転移して 3-hydroxy-2-azoindone 型となり,ついで共存するアスコルビン酸により還元的にアゾ結合が開裂して酸アミドと 2-aminoindamine を生成し,後者はニンヒドリンと反応してRuhemann Purple を生成し,紫色に発色する.本呈色反応を INAH とスルファミン剤の混合製剤中の INAH の比色定量に応用し,十分満足すべき結果を得た.
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