二重標識法による混合ハロゲンイオンの放射滴定
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概要
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従来ハロゲンイオンの硝酸銀標準溶液による沈殿滴定には多くの研究があり,すでにMohr,FajansおよびVolhardらの方法は標準分析法として周知のとおりである.しかし,いずれも内部指示薬を使うので,着色試料については直接分析することはむずかしい.また電気的滴定法はこの欠点を除き,ある程度の成功を得ているが,操作がやや複雑である.<BR>一方,放射滴定は溶液の放射能の変化を指示薬のかわりにするのであるから,試料溶液の形状に関係なく,取り扱うアイソトープの量も微量であり,操作も簡単である.現在まで,ハロゲンイオンの硝酸銀標準溶液による放射滴定についてはLangerが標識した硝酸銀標準溶液で塩素イオン,臭素イオンをそれぞれ独立に分析し,Moellerらは塩素イオンを標識した硝酸銀標準溶液で分析しているのみである.<BR>著者らはアイソトープで標識した2種の溶液を適当に使うことにより塩素,臭素,ヨウ素の混合イオンの放射滴定を検討し,簡単にそれぞれを分離定量できることを知ったので報告する.
- 社団法人 日本分析化学会の論文