(4)工業用無水フタール酸中の不純物の定量に関する研究(第1報) : ポーラログラフ法によるαーナフトキノンの定量
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概要
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ポーラログラフ法による無水フタール酸中のナフトキノンの定量に関する研究において,<BR>(1)各pHの緩衝液中でのナフトキノンのポーラログラムを検討した結果,定量にはpH6~7附近の緩衝液の使用が,最適であることがわかつた.<BR>(2)ナフトキノンの濃度と波高との関係は原点を通る直線関係にある.<BR>(3)ナフトキノンの波高に対する温度及びアルコールの濃度の影響を調べ,温度係数は1.26%であり,又ナフトキノンの波高はアルコール濃度35%において極少を示した.<BR>(4)無水フタール酸はナフトキノンの還元波に対してゼラチンのごとき表面活性物質と同様な妨害作用を呈し,波高を低下したり,波型を乱したりするが,2.6×10<SUP>-2</SUP>M以下の濃度においては何ら影響を与えないことがわかつた.<BR>(5)定量方法は,約20mgの試料を秤取し,1cc純アルコールを加えて溶解し,さらに1N KNO<SUB>3</SUB>1cc及びpH6~7の緩衝液で10cc電解液を調製する.外部電極に硫酸第一水銀電極を使用して,ポーラログラムを撮影し,ナフトキノンの含量を計算する.<BR>(6)従来の方法よりも誤差は小さく,しかも簡単な操作で迅速に定量が行える.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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