3 非水溶媒滴定
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概要
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この4年間に非水溶媒を使う滴定の分野では,中程度の誘電率の溶媒中における酸塩基平衡の理論が発展し,多種の溶媒の性質,その溶媒中での反応の研究が進み,それらの研究はより基礎的に深くはいるようになってきた.また,指示薬法,電位差滴定のほかに導電率滴定,光度滴定が多く行なわれるようになり,酸塩基滴定以外に酸化還元滴定や融解塩あるいは高濃度塩を用いる滴定など,その反応の種類や滴定方法も多種多様になってきた.<BR>実用面での普及も著しく,この滴定法は各国の薬局方に取り入れられ,分析化学の教科書,専門書およびハンドブックには必ずこの方法が載せられるようになった.非水溶媒滴定の専門書や非水溶媒の化学,新しい酸塩基の解説書なども出版され,一般的総説もある.<BR>ポーラログラフィーでも非水溶媒を使う例が多くなったが,カールフィッシャー法とともに一応除外した.この総説は1961年のものを受け,文献は1964年末までを含む.
- 社団法人 日本分析化学会の論文