溶媒抽出法による鉄鋼中の微量リンの吸光光度定量
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概要
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鉄鋼中の微量リンをリンモリブデン酸錯体にし,有機溶媒で抽出分離後,還元してモリブデン青を発色させ吸光光度法による定量条件の確立を研究した.試料0.1〜1.0gを硝酸(1:1.2)に溶解し,2%過マンガン酸カリウム溶液を加え加熱してリン酸イオンにする.生成した二酸化マンガンおよび過剰の過マンガン酸カリウムは10%亜硫酸ナトリウム溶液で溶解したのち,加熱して亜硫酸ナトリウムを分解除去し,冷却後アンモニア水(1:1)により,わずかの水酸化鉄の沈殿を生ずるまで中和する.さらに5〜10m<I>l</I>の硝酸(1:1.2)を加え水酸化鉄の沈殿を溶解し,2〜3gの硝酸アンモニウムを加えてから100m<I>l</I>に希釈し試料溶液とする.この試料溶液から1m<I>l</I>をとり,過塩素酸0.35m<I>l</I>,モリブデン酸アンモニウム溶液(5%)0.5m<I>l</I>を加え,リンモリブデン酸錯体をつくりこれを酢酸ブチル2m<I>l</I>で抽出する.この抽出有機溶媒層から1m<I>l</I>を別の容器にとり,塩化第一スズ溶液(5%)0.3m<I>l</I>を加えて還元し,モリブデン青を発色させエチルアルコールで全容5mlに希釈してよく振り均一溶液とする.これを波長725mμで吸光度を測定してリンを定量する.