鉄鋼の発光分光分析における金属組織の影響
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概要
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高炭素低合金鋼の発光分光分析においては,試料のや金履歴によって分析値に著しい影響がある.本研究はカントレコーダにより鉄鋼を分析する際に生じ,マトリックス効果といわれている鋼の金属組織と発光との関係を調査し,その影響を取り除くことを目的として実施した.得られた結果の概要を次に示す.<BR>(1)高炭素低合金鋼中のケイ素およびマンガンの定量において,化学分析と分光分析との間で生ずる大きな誤差は,急冷によって生ずる残留オーステナイトおよびマルテンサイトによるものである.しかし,その誤差の原因は試片を焼きもどすことによって取り除くことができる.<BR>(2)放電こんの調査によれば,高炭素低合金鋼の粒界に生ずる炭化物は選択的に放電する.それらは,炭化物形成元素であるマンガン,クロム,モリブデンなどのスペクトルライソの強度を増加し,これらの元素に高値を与える.しかしながら,それは熱処理によって解決することが可能である.
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