パピログラフィー : 特にシリカゲル含浸ろ紙の応用について
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概要
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パピログラフィー(papyrography)とはpapyrus(紙)の意味から由来したもので,ろ紙を使う分析法に対する総称である.すなわちスポットテスツ(spot tests),クロマトグラフィー(chromatography),電気泳動(electrophoresis)などろ紙を使う関連分析法のすべてを包含している.<BR>ろ紙のセルロースの目の間に物質がはいって移動してゆくとき,分離が行なわれる.また呈色反応の場合もろ紙上で起こるときは,溶液の場合と違った結果が得られることが多い.Feigl<SUP>1)</SUP>は反応は呈色の起こる場所によって感度が異なることを指摘して,いわゆるtopochemistryの概念を呈色反応に対して導入している.たとえば.Mn<SUP>2+</SUP>をベンチジンを用いて検出するとき,ろ紙を用いたほうが滴色ざらを使用した溶液反応の場合に比べて.はるかに感度が高いことを指摘している.筆者らが.次に述べるような理由で,研究を続けてきたシリカゲル含浸ろ紙(silica gel impregnated paper)は,普通のろ紙に比べると,スポットテスツ(はん点分析)に対しても,すぐれた感度を示す場合が多いことがわかった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文