チタン, ジルコニウム共存系における過酸化水素錯体によるニオブの迅速容量分析法
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概要
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チタン (IV), ジルコニウム (IV), ニオブ (V) 共存系のニオブを過酸化水素錯体 (ただしジルコニウムについては不明) の過マンガン酸カリウムに対する反応性の差を利用して定量する方法を見いだし, その最適条件を検討した.チタンの過酸化水素錯体はあらゆる硫酸濃度で過マンガン酸カリウムと完全に反応するが, ニオブの錯体は8〜10<I>M</I>硫酸中ではじめて完全に反応し, 3<I>M</I>以下ではまったく反応しない.それゆえ, これらの共存系に既知量の過酸化水素を入れて錯体を生成させ, まず1<I>M</I>硫酸中で滴定すればニオブに結合した以外の過酸化水素が定量できる.ニオブの量は添加量とこの定量値との差から算出されるが, さらに滴定後の溶液について硫酸濃度を9<I>M</I>にして滴定すると, ニオブに1 : 1で結合した過酸化水素が直接に定量できるから, この値からもニオブ量を計算することができる.本法はきわめて簡易迅速であり, その定量誤差は±0.3%以内である.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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