ガスクロマトグラフィーによる硫化物を含む試料中のメチル水銀化合物の定量
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概要
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硫化物を含む試料中のメチル水銀化合物をガスクロマトグラフィーで定量する場合,硫化物による妨害を防ぐため,塩化第二水銀を試料に添加する方法が従来用いられていた.しかし,本研究の結果,塩化第二水銀の一部は有機溶媒で抽出され,また塩化第二水銀がメチル塩化水銀と混在すると,得られたピークはメチル塩化水銀,塩化第二水銀それぞれ単独のピークの和よりも増大したので,塩化第二水銀の添加は適当でない.硫化物はメチル水銀化合物をビス-硫化ジメチル水銀に変化させ,グルタチオンあるいはシステイン処理では抽出できなかったので,塩化第一銅を試料に添加してビス-硫化ジメチル水銀を完全にメチル塩化水銀の形に変化させたのちに抽出,ガスクロマトグラフィーにより定量を行なったところ好結果を得た.塩化銀はビス-硫化ジメチル水銀をメチル塩化水銀に変化させたが,塩化銀がメチル塩化水銀のガスクロマトグラフィーによる定量を妨害した.
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