有機化合物中の酸素とフッ素の同時定量 : キャリヤーガス法による酸素の定量(第2報)
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概要
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フッ素を含む有機化合物中の酸素の定量法は,従来研究されているが,フッ素と酸素を同時に定量する方法については研究されていないので検討した.<BR>石英管を保護外筒管とする白金製熱分解管中に炭素粒を充てんして1100℃に加熱し,試料を精製窒素気流中で熱分解して反応させる.試料中のフッ素は熱分解によりフッ化水素となるから,これを100℃のシリカウールと反応させて四フッ化ケイ素と水にし,両者をシリカゲル充てんの吸収管に吸収させ重量法で定量した.試料中の酸素は一酸化炭素となりフッ素定量用のシリカゲル充てんの吸収管を素通りする.ついで150℃に加熱した五酸化ヨウ素で酸化して二酸化炭素とし,これを水酸化ナトリウム充てんの吸収管に吸収させ重量法で定量した.<BR>熱分解時の窒素キャリヤーガスの流量は15m<I>l</I>/minが適当であり,試料約3mgの分析所要時間は45〜50分間,酸素は士0.4%,フッ素は士0.3%の誤差で定量できた.