けい光X線法による窒化アルミニウム-リン酸重合体の状態分析
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概要
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窒化アルミニウム-リン酸重合体中のアルミニウムの存在状態をけい光X線法で検討した.第3周期元素のK<SUB>β<SUB>1,3</SUB></SUB>線は,低エネルギー側にK<SUB>β</SUB>線を伴うが,この2本の線の間隔を数多くの化合物について検討した結果,隣接原子の種類によってほぼ一定のエネルギー差をもつことがわかった.この差は,隣接原子の2<I>p</I>と2<I>s</I>準位の差に近くClO<SUB>4</SUB><SUP>-</SUP>,SO<SUB>4</SUB><SUP>2-</SUP>についての分子軌道法による計算とも一致している.したがってK<SUB>β</SUB><SUB>1,3</SUB>とK<SUB>β</SUB>のエネルギー差は隣接原子の推定法として使える.上記重合体のAlK<SUB>β<SUB>1,3</SUB></SUB>・K<SUB>β</SUB>を測定した結果,アルミニウムの最近接原子はNであることがわかった.また,AlK<SUB>α</SUB>線の配位数によるシフトを測定したところ,4配位に相当する値を示した.これらの結果から,アルミニウムの近傍は結晶状態の窒化アルミニウムとほとんど変わらないと結論した.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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