陰イオン交換分離-吸光光度法による海水中のスズの定量
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概要
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500m<I>l</I>の試料を用いて,海水中のスズの簡便正確な定量法を確立した.<BR>海水に塩酸を加えて塩酸濃度を2<I>M</I>とし,強塩基性陰イオン交換カラムに通し,海水中のスズを吸着させた.スズを2<I>M</I>硝酸で溶出し,溶出液を蒸発乾固したのち,0.4<I>M</I>塩酸に溶解して,別の陰イオン交換カラムに通した.引き続きカラムを0.4<I>M</I>塩酸で洗い,スズ以外の金属を溶離した.スズを2<I>M</I>硝酸で溶出し,溶出液中の硝酸を蒸発除去したのち,スズはスズーピロカテコールバイオレット-臭化セチルトリメチルアンモニウム錯体として,吸光光度定量した.本法による誤差は5%以下であった.<BR>本法により,北太平洋の海水のスズの濃度を定量し,0.6〜2μg/<I>l</I>の値を得た.この値はさきにHamaguchiらが放射化分析法で得た値と一致しているが, Noddackらの値よりは小さい.
著者
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