乳酸
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概要
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乳酸は, 旧約聖書の創世紀の頃からすでに知られており, 化学的に単離したのはSheele (1780) で, 発酵した牛乳からシロップ状の酸を得て, 乳酸と命名した。またBerzelius (1807) は, 筋肉中よりこれによく似た酸 (<I>d</I>-酸) を分離したが, この二つの酸が同一物質であることはWislicenusにより1873年にようやく証明された。即ちSheeleの乳酸はラセミ体で光学活性のない乳酸であり, 筋肉から得られたものは右旋光性の乳酸(d-乳酸) であった。<BR>このように乳酸には<SUB>L</SUB>体と<SUB>D</SUB>体の光学異性体と, 光学活性のない<SUB>DL</SUB>体が存在する。また乳酸と言えば通常α-オキシ・プロピオン酸CH<SUB>3</SUB>CH (OH) COOH (分子量C<SUB>3</SUB>H<SUB>6</SUB>O<SUB>3</SUB>=90.08) のことを言う