Fétizon試薬
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概要
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1955年Rapoportらはコデイン (1) のグリコシド合成のため, コデインをベンゼン中炭酸銀の存在下にアセチルグリコシルブロミドと処理したところ, はげしい発泡下に金属銀が遊離沈殿し相当量のコデイノン (2) の生成が認められた。この予期しなかった酸化反応をさらに検討した結果コデインのベンゼン溶液を5倍当量の<BR>MeO-〓-O-N-Me-HO (1) MeO-O=〓N-Me (2) <BR>炭酸銀と窒素気流中1時時間加熱還流してコデイノンを75%の収率で得た。<BR>Fétizonは, Rapoportらによって見出されたこの炭酸銀をセライト上に沈着せしめたいわゆるFétizon試薬をつくり, これを用いて種々の有機化合物の酸化を行ない, 本試薬が中性溶液中で固体酸化剤として優れていることを見出した。以下にFétizonらの研究を中心に紹介する。
- 社団法人 有機合成化学協会の論文