トリメリト酸チオ無水物およびその誘導体の合成と反応
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概要
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無水トリメリト酸 (1) と硫化ナトリウムの反応によりトリメリト酸チオ無水物 (2) を合成し, つぎにこれを塩化チオニルと処理して4-クロロホルミルフタル酸チオ無水物 (3a) を得た。 (3a) にフェノールおよびチオフェノールを反応させて, それぞれ, 4- (フェノキシカルボニル) フタル酸チオ無水物 (3b) と4- (フェニルチオカルボニル) フタル酸チオ無水物 (3c) を合成した。 (3a) とアニリンの反応では, 4- (<I>N</I>-フェニルカルバモイル) フタル酸チオ無水物 (4) の生成を経由して, 4- (<I>N</I>-フェニルカルバモイル) -<I>N</I>-フェニルフタルイミド (6) が得られた。 (3b) とアニリンの反応の場合には4- (フェノキシカルボニル) -Nフェニルフタルイミド (5b) が生成したが, (3c) とアニリンからは4- (フェニルチオカルボニル) -<I>N</I>-フェニルフタルイミド (5c) の生成を経由して (6) が得られた。これらの結果から, 酸チオ無水物の求核試薬に対する反応性はつぎのようになると結論される。C=O-Cl>-C=O-S-C=O->-C=O-S-〓
- 社団法人 有機合成化学協会の論文
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