1-フェニル-ポリヒドロ-<I>s</I>-トリアジンの合成 : シアノアミノ炭酸誘導体に関する合成的研究 (第6報) シアナミド誘導体に関する研究 (第98報)
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概要
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ジーシアノアミノ炭酸誘導体NCNH-C (X) =NCN (1) a〜h (X=a : NH<SUB>2</SUB>, b : NHPh, C : NH <I>n</I>-Bu, d : NMe<SUB>2</SUB>, e : OEt, f : SMe, g : NHCN, h : OH) 塩とアニリン塩酸塩との反応を行い, 相応する1-フェニル-2, 6-ジイミノ-4-置換ポリヒドロ-S-トリアジン (2) a〜hを合成した。 (1) a〜fのモノカリウム塩に対してこれと等モルのアニリン塩酸塩を反応させた場合, 反応は (2) a〜fの (1) a〜f塩を生成した段階で停止する。一方 (2) a〜f塩に対してこれと2倍モルのアニリン塩酸塩を作用させると (2) a〜f塩酸塩 (大部分遊難物あるいはピクラートとして分離) が高収率に得られる。また (2) g, hのような2塩基酸のジカリウム塩の場合, これと2倍モルのアニリン塩酸塩との反応で直接 (2) g, hの遊離物が得られる。<BR>本研究で収得されたポリヒドロトリアジンは (2) aを除いてすべて新規化合物であり, これらの基礎的反応性を知る目的で6<I>N</I>-塩酸による加水分解反応を検討した。その結果この反応は段階的に進行することがわかった。すなわち (2) a〜dでは2位 (あるいは6位) が4位に優先して加水分解され, 2-オキソ体 (5) a〜dあるいは2, 6-ジオキソ体 (6) a, cが得られる。一方 (2) e〜gのように4位に活性な置換基を有するポリヒドロトリアジンの場合2, 4位が同時に加水分解されて2, 4一ジオキソ体 (4) を生成する。
- 社団法人 有機合成化学協会の論文
著者
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巣山 隆之
Faculty of Engineering, Tokyo Institute of Technology
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大戸 敬二郎
Faculty of Engineering, Tokyo Institute of Technology