シクロペンタノールの硝酸酸化 : シクロペンタジエンの利用に関する研究 (第3報)
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概要
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シクロペンタノール (1) をグルタル酸 (2) に導びくことを目的として硝酸による酸化を試み, 収率に及ぼす硝酸濃度, 硝酸使用量, 反応温度および触媒 (メタバナジン酸アンモニウム, 五酸化バナジウムおよび塩基性炭酸銅) の影響について検討した。 (1) を反応温度40℃で20〜70%硝酸 (硝酸使用量;硝酸/ (1) モル比5) で酸化した時, 全二塩基酸 ((2), コハク酸およびシュウ酸) の収率は硝酸濃度30%で91.3%と急増し, さらに濃度を高めるにしたがってわずかずつ増加した。 (2) の選択率 ((2) /全二塩基酸×100 (%)) は, 硝酸濃度が40〜50%で最高の値となり, この時の (2) の収率は83.4%であった。 (1) を40%硝酸と反応させた時, 反応温度が低い方が全二塩基酸収率および (2) の収率ともによい結果を与えた。<BR>触媒を添加することにより, 誘導期および発泡終了までの時間が短縮され, 反応開始時の急激な発熱も若干抑えられ, しかも全二塩基酸収率および (2) の収率は増加した。触媒添加での良好な結果を例示すると, メタバナジン酸アンモニウム0.3%添加, 40%硝酸, モル比5, 反応温度30℃の条件で, 全二塩基酸収率は95.2%, (2) の収率は89.2%であった。
- 社団法人 有機合成化学協会の論文
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