ルテニウムヒドリド錯体 : 有効な二重結合移動反応触媒
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
炭素-炭素不飽和結合の位置を移す異性化反応は酸, 塩基, 遷移金属錯体などを触媒として数多く研究されており, それぞれの触媒系の特長, 適用限界が明らかにされている。このうち, 遷移金属の塩または錯体は, ほぼ中性の条件下で反応を進行させることができるため副反応を起こしにくいという特長があり, 種々の官能基をもつ不飽和化合物の異性化には好都合である。最近, 著者らは二重結合移動反応を積極的に有機合成に役立てるという意図で研究を進めており, ルテニウムヒドリド錯体が, 安価でかっ簡便に利用できる有効な触媒であることを見出した。ここではその調製法, 性質, 反応基質に対する適用限界を含め, 適用例を紹介したい。
- 社団法人 有機合成化学協会の論文
著者
関連論文
- ヒドロトリス(ピラゾリル)ボレートを配位子とする金属錯体の化学 : 酸素錯体を中心に
- 銅錯体の触媒作用
- 有機金属錯体の合成と反応による合成ガス反応機構の解明
- 多核金属錯体系におけるケテン配位子の反応挙動
- 酸素の活性化と触媒反応
- 触媒は技術とともに生きる
- 第3回 : 小野田武氏に聞く
- 還元的酸化反応:生体に学ぶ酸化反応のストラトジー
- 清山先生に聞く
- ノーベル賞時代の終焉
- 対談シリーズ 第1回:田部先生に聞く
- Catalysis : その広がりと残るもの
- 新化学ライブラリー, 有機金属の化学, 山崎博史・若槻康雄著, 日本化学会編, 21cm×15cm, 216 ページ, 3, 000 円, 1989, 大日本図書
- 今月の表紙
- 化学工業に役立つ有機金属触媒(有機金属の化学 : その正体と秘められた可能性)
- 科学のとびら 3, 明治の化学者 -その抗争と苦渋-, 廣田鋼藏著, 13cm×18cm, 226 ページ, 1, 400 円, 1988, 東京化学同人
- 化学のとびら 4, 身のまわりの毒, Anthony T. Tu 著, 13cm×18cm, 188 ページ, 1, 200 円, 1988, 東京化学同人
- 固体触媒 I : 酸化還元触媒のはたらき(触媒はどのようにしてはたらくか)(触媒のはたらき : 甘酒から太陽エネルギーまで)
- 活性酸素と触媒酸化反応 (酸化反応とその制御--石油化学から生体反応まで)
- 触媒研究で思うこと (研究開発のうらおもて--着想と展開)
- 酸化触媒における機能のシステム化に関する一考察 (第61回触媒討論会特集号〔予稿〕)
- インドールからのインジゴ一段製造法研究
- 非ヘム鉄蛋白質の合成モデル (生物無機化学の新展開) -- (生物無機化学におけるモデル系は生体系にどこまで迫ることができるか)
- 遷移金属クラスターの化学 (有機金属化学の最前線--多様な元素を使いこなす) -- (高周期金属化合物の化学)
- 三核ルテニウムクラスター上での炭化水素配位子の骨格転位
- 多核遷移金属錯体反応場での基質の活性化
- メタノールを原料とする炭素鎖伸長反応α, β-不飽和化合物の新接触合成
- 金属クラスターによる有機基質の協奏的活性化
- 不活性炭化水素のC-H結合活性化と反応 (C-H結合の活性化)
- オレフィンを配位子とする遷移金属酸素錯体の合成と反応
- ルテニウムヒドリド錯体 : 有効な二重結合移動反応触媒
- 含銅蛋白質とモデル系 (生物無機化学の新展開) -- (生物無機化学におけるモデル系は生体系にどこまで迫ることができるか)
- 含マンガン酵素の活性サイトモデル錯体の合成と性質
- 有機金属錯体の合成と反応による合成ガス反応機構の解明
- モノオキシゲナ-ゼに類似した2核金属錯体の合成と反応 (1989年の化学-1-)
- シッフ塩基銅(2)錯体を用いるエタノ-ルのガラクト-スオキシダ-ゼ酸素酸化 (生体関連物質と配位化学) -- (金属酵素・金属タンパク質)