フッ素アニオンの関与する界面合成反応
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概要
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元素としてのフッ素の特異性はよく知られているが, 有機合成反応にフッ素アニオンの特異性を利用する試みが注目を浴びたのは, ごく最近のことである。これらの合成反応は, フッ素塩の不溶性のために不均一相で行われることが多く, 従って有機合成における最近のもう一つの焦点である界面現象と関連するところが大きい。本稿では, フッ素アニオンが試薬あるいは触媒として関与する合成反応のうち, 何らかの意味で多相の関係する反応例について考えてみたい。界面合成反応と仮に名付けたが, 必ずしも界面で反応が起こっていることを意味するのではなく, マクロあるいはミクロに不均一相が存在する反応系をすべて含めた。