日本における積雪深の形態分類とその特徴について
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概要
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日本における積雪深の変化には幾つかの形態がある.これを分類し, その特徴を明らかにするため, 積雪地帯を中心に約1000例の積雪深変化図を作製し, その形態を調査した.その結果, 我国の積雪深の形態には, 概略次の五つの型が存在し, 各々地域特性があることを見い出した.<BR>即ち, 停滞型, 漸増型, 初期大雪型, 中期大雪型, 分散型の五つである.このうち停滞型は海岸地方や盆地に, 漸増型は北方寒冷地帯, 初期大雪型は北陸豪雪地帯, 中期大雪型は日本の北部の豪雪時及び山間部に多く出現し, 分散型は暖冬年とか脊梁山脈東側の少雪地帯に共通して現われる傾向があることを明らかにした.<BR>また同一年でも積雪深の形態は, 日本の東西南北で各々異なって現われること, 同一地点でも年によって異なること, さらに種々の型の組み合わさったものも存在するがそれらはいずれ上記五つの形態を基本として表示し得ることを実例によって示した.特に雪害時には, 地域を問わず初期大雪型, 中期大雪型が卓越して現われることを指摘した.<BR>これらの積雪深の形態は, 他の地域における分類にも適用できるばかりでなく, その出現に関する系統性を掌握することにより, 除排雪など克雪対策にも応用できるものである.
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