赤外線反射を応用した簡易型降雪検知器
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概要
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地下水による融雪方法は積雪地域の道路にとって不可欠のものとなり,さらに屋根にも相当程度利用されている.また,近年,電気融雪方式や電気凍結防止方式なども横断歩道や建築物などに応用され始めた.それと同時に,地下水や電気エネルギーなどの節約の面から,これらの融雪装置を如何に効率よく使用するかが重要な問題になってきた.しかし,融雪装置を手動で効率よく運転することは困難なので,降雪を自動的に検知して,融雪装置を制御する実用的な降雪検知器が望まれている.<BR>筆者等は,発光ダイオードから放射される赤外線が雪によって乱反射されるのを応用した簡易型の降雪検知器を試作した.その原理は次のようである,すなわち,降雪のないときは,赤外線はヒータの入った黒色の受雪板で反射され,受光素子―ホトダィオード―へは到達しないようになっているので,検知器は検知動作をしない.しかし,降雪があると,受雪板上に積った雪によって赤外線は乱反射され,その一部はホトダイオードに達するので,検知器は降雪を検知し,融雪装置を稼動させる.降雪が止むと,受雪板上の積雪はヒータによって融かされるので,赤外線はホトダィオードへ乱反射されなくなり,検知器は検知動作を停止し,融雪装置の稼動を止めさせる.<BR>筆者等は,前述の降雪検知器の動作試験を昭和55年2月13日から2月26日にかけて実施し,約80%の検知能力を確認した.なお,検知器の感度,タイマーの時間設定,それらと設置場所の気象状況との関係などが今後検討すべき問題であることがわかった.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
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