水面上の平板氷の凍結と融解についての考察(続報)
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概要
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平板氷の凍結と融解について,ここでは従来の移動境界問題の一つとしてでなく,座標の原点を氷と水の境界面に置き固定し,移動するのは物質すなわち氷と水で,移動物質問題として考えてみた.<BR>また前報文(雪氷,55,179-182)では氷と水の境界面における熱バランスにおいて,水を流体とした熱伝達を考えたが,今回は従来行われた水も氷も同じく固体とした場合について考えてみた.<BR>そうすると偏微分方程式は,前報文同様従来の放物型に物質の移動速度υを含む項を追加した式になった.<BR>υは一般的に時間の関数になることから,その正確な解析解を得る事はできなかったが,氷と水の時間的温度変化が極めて緩やかな時の近似解を得ることができた.<BR>この近似解は移動境界問題の場合よりも,もっと一般的な境界条件についての解であることは勿論であるが,興味あることの一つは,前報文,本続報の何れの場合も一定の条件下では,氷の厚さはその凍結時間の平方根に比例するというF.Neumannの条件を含むことである.