工場雪
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概要
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ここでいう「工場雪」とは, 冬季, 国策パルプ旭川工場から排出される煙と蒸気の中から降ってくる一種の人工雪である. この現象は中緯度にある日本としてはめずらしい現象と思われ, 本文は1967年から3シーズンに行なった観察の記録を紹介する. <BR>「工場雪」の成因としては, <BR>1) 内陸特有 (上川盆地) の無風, 快晴時に生ずる強い接地逆転. <BR>2) 工場内10数本の主煙突からの排出物<BR>3) 工場内50余の排気口から出るスチンムによる過飼和。<BR>などが挙げられるが, これらの条件下で生成される結晶や雪片は, 自然雪や低温室内で作られた結晶とはまた異なる要素を持ち, 自然と人工の中間的存在として, この降雪機構の解明は将来, 雲物理研究の種々の面で役立つのではないかと思われる.