対人ストレス過程における楽観的説明スタイルと属性的楽観性の役割
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概要
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本研究では,心理的ストレス過程モデル(Lazarus & Folkman, 1984)に基づいて,対人ストレス過程(加藤,2001)における2種類の楽観性の役割を検討した。大学生・大学院生・短期大学生361名を対象として,質問紙を用いたパネル調査を実施した。その結果,2つの影響過程が検証された。第一に,属性的楽観性が高いと対処効力感を高く評価し,ポジティブ関係コーピングと解決先送りコーピングを行使しやすかった。第二に,高い楽観的説明スタイルをもつとイベントの脅威を低く評価し,ネガティブ関係コーピングと解決先送りコーピングを行使しにくかった。これらの結果を踏まえ,対人ストレス過程における各々の楽観性の役割について議論がなされた。