石綿作業者にみられた悪性腹膜中皮腫の1症例
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概要
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石綿暴露作業に23年間従事した労働者にみられた,びまん性に発育する混合型の悪性腹膜中皮腫症例を報告した.腹水中のヒアルロン酸はきわめて多量であり血清CEAが陰性であること,石綿暴露歴などから本症を疑い,腹腔鏡観察下の腹膜生検で確定診断を得た.組織学的には上皮性および肉腫性の部分を認め,ヒアルロニダーゼ消化試験は陽性であつた.石綿肺は管理2と比較的軽度であるが,肺内には多量のクロシドライト線維と石綿小体を認めるとともに,小腸の漿膜にも光顕で確認可能な石綿小体を認めた.おそらく,リンパ行性に肺から運ばれ,本症の発症要因になつたものと考えられた.
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