十二指腸に穿通破裂した腹部大動脈瘤の1剖検例
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概要
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症例は82才の男性で,腰痛および下腹部痛を主訴として入院した.タール便が続くので内視鏡検査を施行,前庭部潰瘍を認めたが出血の所見はなかつた.入院11日目に突然ショック状態となり腹部腫瘤が出現した.腹部エコーおよびCT検査では直径5cmの腹部大動脈瘤と周囲の血腫が認められた.新鮮血下血も認めたため,腹部大動脈瘤の消化管内への破裂が強く示唆された. 27日目死亡し剖検により十二指腸第3部への穿通が確認された.本症はまれな疾患であるが,消化管出血の一原因として念頭におく必要がある.診断は理学的所見に加えて現在では腹部エコー, CTおよび内視鏡検査が有用と考えられる.
著者
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前田 蓮十
長崎県立成人病センター多良見病院内科
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石丸 忠彦
長崎県立成人病センター多良見病院内科
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手塚 博
長崎県立成人病センター多良見病院
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山近 史郎
長崎県立成人病センター多良見病院
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西成 民夫
長崎県立成人病センター多良見病院
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横田 実
長崎県立成人病センター多良見病院
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萬木 信人
長崎県立成人病センター多良見病院
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津田 俊彦
長崎県立成人病センター多良見病院
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芹田 巧
長崎県立成人病センター多良見病院
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佐藤 秀代
長崎県立成人病センター多良見病院
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石丸 忠彦
長崎県立成人病センター多良見病院
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前田 蓮十
長崎県立成人病センター多良見病院
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