著明な溶血性貧血,肺の多発性小濃瘍,播種性血管内凝固症候群ならびに急性腎不全を合併した高令者に発症したマイコプラズマ肺炎の1剖検例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は81才,女性.咳漱・呼吸困難を主訴に入院.入院後急速に進行する貧血・赤褐色尿が出現,さらに出血傾向・四肢の循環不全・乏尿を認めた.臨床経過・検査所見からマイコプラズマ肺炎に溶血性貧血・播種性血管内凝固症候群ならびに急性腎不全を合併したと診断,積極的治療にもかかわらず入院3日目に死亡した.剖検所見では肺の多発性小膿瘍を伴う肺炎像,腎臓のhemoglobinuric nephrosisの像を認めた.また本例は抗核抗体,抗DNA抗体, LE細胞陽性であった.このような自己抗体陽性例で種々のまれなマイコプラズマ肺炎の合併症を認めた事は,本例の発症機序に何らかの免疫学的機序の関与を示唆すると考えられた.