側頭部痛で発症した蝶形骨洞アスペルギルス症の1例
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概要
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右側頭部痛を初発症状とした蝶形骨洞アスペルギルス症の1例を経験したので報告する.症例は67才,男性. 3カ月間の右側頭部痛に次いで右視力低下を伴ったため入院.副鼻腔断層撮影, CTで右蝶形骨洞内に腫瘤様陰影を認めたため,同日当院耳鼻科にて緊急手術を施行したところ,右蝶形骨洞内に真菌塊を認め,病理,培養検査にてアスペルギルスが同定された.その後,側頭部痛は消失,視力も改善した.蝶形骨洞アスペルギルス症は極めてまれな疾患であるが,症候性神経痛の原因の一つとして念頭に置くべき点を示唆する1例と考えられる.