巨脾と慢性溶血を伴った新しいG6PD異常症(G6PD Niigata)の1例
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概要
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巨脾と慢性溶血と肝ヘモクロマトーシスを伴った新しいグルコース6リン酸脱水素酵素(以下G6PD)異常症の1例を経験した.症例は22才男性で黄疸と易疲労感のため入院し,精査にて溶血性貧血・脾機能亢進・肝機能異常を認めた.赤血球のG6PD活性は, 1.8%と著減し,電気泳動の移動度は遅く, KmG6P正常・NADP高値・KiNADPH低値・G6Pと2d-G6Pの利用率上昇・deamino NADP利用率低下,熱に不安定で至適pHは4.8という性質を有しており,新しいG6PD異常症と考えられG6PD Niigataと命名した.脾機能亢進に対し摘脾術を施行し,肝生検ではヘモクロマトーシスによる肝硬変の像を認めた.原疾患と肝ヘモクロマトーシスの合併は,報告例がない.
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