アポトーシスと自己免疫疾患
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概要
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リソパ球の分化過程でのアポトーシスを介しての細胞死の誘導は免疫機構の調節において重要な役割を担っている.細胞内にアポトーシスめシグナルを伝達する機能をもつ細胞表面タンパク質のFas抗原の異常が自己免疫疾患の発症機序に関与している可能性が高いことを示した.すなわち,異常なT細胞を蓄積して,自己免疫疾患のSLE様症状を示すlpr (lymphoproliferation)変異マウスではFas抗原遺伝子のイントロンの中にトランスポゾンが挿入されていたり,あるいは点突然変異を起こしているためにFas抗原の機能が失われていた.つまり, Fas抗源はTリンパ球の発生段階において生と死の判別機構に関与しており,このバランスが障害されることが自己免疫疾患の素因になると考えられる.