潰瘍性大腸炎患者における免疫機能異常について
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概要
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潰瘍性大腸炎の成立に関与している免疫系の異常を検討するため,潰瘍性大腸炎患者血中に出現する抗リンパ球抗体,および,その抗体と反応するリンパ球の性状について検討を行なつた.潰瘍性大腸炎患者血清中の抗リンパ球抗体出現率を, fluorescescence activated cellsorterを用いた蛍光抗体法および補体依存性細胞障害試験で検討したところ,約70%であつた.この抗リンパ球抗体はFc receptor陰性T細胞と反応し, natural killer細胞とは反応しなかつた.またこのT細胞はconcanavalin A誘導試験などから抑制機能を有すると考えられた.さらに潰瘍性大腸炎患者末梢血リンパ球中には, T細胞特異抗体である抗脳関連抗体および抗胸腺抗体と強い親和性を示す亜群の増加が認められた.以上の成績から,潰瘍性大腸炎の病因には抗リンパ球抗体およびこの抗体と反応するT細胞亜群の関与することが推察された.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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