非リンパ性白血病細胞の表面マーカーと細胞化学的検討
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概要
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非リンパ性白血病43例(急性骨髄性白血病AML 20例,急性前骨髄性白血病APL 2例,慢性骨髄性白血病急性転化CMLクリーゼ3例,急性単球性白血病AMoL 2例,急牲および亜急性骨髄単球性白血病acute〜subacute MMoL 12例,慢性骨髄単球性白血病CMMoL 4例)において,白血病細胞の表面マーカーと細胞化学的検索を行なつた.表面マーカーはFcγ, Fcμ, C3b, C3dの各レセプターをマイクロテストプレートを用いたロゼット形成法で調べ,補体源としてヒトAB型血清およびAKRマウス血清を用いた.さらに白血病細胞の免疫貪食能を観察した. AMLとAPLにおいては,胞体内顆粒やペルオキシダーゼ(PO)陽性の症例では大多数がFcγあるいはC3レセプターを有しており,これらレセプターと顆粒, POはほぼ同時に発現するものと考えられた. CMLクリーゼでは酵素の発現は弱いがレセプターは有していた. AMoL, MMoLでは全例数種のレセプターを有しており,さらに免疫貪食能も全例で認められた.細胞化学的にはAMoL, MMoLの単球様白血病細胞にα-naphthyl butyrate esteraseが18例中5例で完全に欠損し, 7例では部分欠損が認められた.また本酵素の欠損した例でも,免疫貪食能は観察され,白血病細胞に単球系の構成成分が存在する証拠として免疫貪食能は重要な所見であると考えられた.
- 社団法人 日本内科学会の論文