二次性aldosterone症におけるrenin-angiotensin系の役割
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
二次性aldosterone症におけるrenin-angiotensin系(以下R-A系)の役割を検討した.悪性高血圧,腎血管性高血圧,肝硬変症,うつ血性心不全,ネフローゼ症候群のいずれにおいても血漿aldosterone (以下PA)と血漿renin活性(以下PRA)はともに高値を示した.悪性高血圧,腎血管性高血圧群ではPAとPRAとはr=0.54と有意の紹関(P<0.05)が認められたが, PAと血清Na値,血漿cortisolとの間に相関なく, PAと血清K値とはr=一0.52と負の相関を示した(P<0.05).肝硬変症では腹水の発生する以前よりR-A系の亢進が認められたが, PAはPRAとの間には有意の相関なく,また血清K値,血漿cortlso1との間にも有意の相関は認められなかつた.しかしPAは血清Na値とr=-0.42,血漿renin基質とr=-0.51と有意の負の相関を認やた(P<0.05).腎の傍糸球体装置は悪性高血圧,腎血管性高血圧,肝硬変症のいずれにおいても, renin産生の指標とされる傍糸球体顆粒係数は高値であつたが,その形態は各疾患により異なつていた.以上のように,これ等の二次性aldosterone症では,腎でのrenin産生亢進によりR-A系が亢進していることが認められたが,このR-A系と高aldosterone血症との関係は各疾患により異なり,高血圧性二次性aldosterone症では高aldosterone血症はR-A系の亢進によると考えられたが,肝硬変症では肝でのaldosterone代謝低下等の他の因子の関与も考えられた
- 社団法人 日本内科学会の論文