高γ-グロブリン血症を伴いadjuvant病様病像を呈した珪肺症の1症例
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概要
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珪肺症にSLE様の多彩な病像を伴つた症例を報告した.患者は71才,男子で約30年にわたる珪肺症を有し,初診時急性肺炎を起こしていたが,その数ヵ月前から多発性関節炎を有し,肺炎の治癒後も持続した.血沈尤進,高γ-globulin血症, LE細胞,抗核抗体,抗DNA抗体,リウマチ因子が強陽性で,遅延型反応の低下,血清補体価の低下等, SLEに酷似した多彩な免疫異常を呈した.この病像の発生機序について,肺に沈着した珪酸粒子が組織蛋白を変性させ,そのadjuvant効果によつて長期かつ強力に生体を感作したため免疫機構の変調を紹来したため生じたものであり,ヒトadjuvant病としての性格を有するものであることを述べた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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入宇田 能順
北海道勤労者医療協会内科
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仲 紘嗣
北海道勤労者医療協会中央病院 内科 北海道大学 第3内科
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大橋 晃
北海道勤労者医療協会中央病院内科
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山田 一範
北海道勤労者医療協会札幌病院内科
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河内 秀希
北海道勤労者医療協会札幌病院内科
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佐藤 富士夫
同病理科
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仲 紘嗣
北海道勤労者医療協会札幌病院内科
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入宇田 能順
北海道勤労者医療協会札幌病院内科
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大橋 晃
北海道勤労者医療協会札幌病院内科
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仲 紘嗣
北海道勤労者医療協会
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