高脂血症の成因について : 外因性脂質の処理面よりの検討
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概要
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高トリグリセライド(TG)血症の成因は,処理障害の面,内因性TG合成の面から,研究されている.高脂血症の成因の中での外因性脂質の役割を明確にする目的で, 10%イントラリピッドを静注する方法での脂肪負荷試験を施行し,K1 (直線的TG除去率), K2 (指数関数的TG除去率)を求め,同時にTG,コレステロール(CH), FFA,血糖,インスリン,脂酸構成を求めた.K1は空腹時TG, CHと有意な相関を示さず,K2は空腹時TG, CHと有意に負の相関を示した.糖尿病群は,非糖尿病群に比しK2が有意に低かつた. K1, K2はいずれもpost heparin lipolytic activityと有意な関係はなく,処理能の一指標として独立して用いることが可能である.わたくしどもは現在K1はtriglyceride lipase, phagocytosis或いはpinocytosisに支配され, K2はヘパリン投与により, K2相の変化を認めたことより, triglyceride lipaseに一部支配され,その他血流,酵素基質競合,組織代謝を反映していると考える. TG, FFAの脂酸構成の変化では, C18: 2が一番早く処理される.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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