動脈硬化性疾患の臨床的研究 : 脂質代謝と血液線溶系の相関性について
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概要
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近時,血栓原性説が動脈硬化性疾患の病因としてrevivalし,動脈硬化性疾患の予後を左右するものは血管内閉塞であろうともいわれている.血管内閉塞の主要因子は血栓である.血漿フイブリノーゲン(Fbg)は血栓形成に関与するのみならず,動脈硬化性疾患の病態進展に重要な役割を演ずると考えられるに到つた.この見地から,わたくしは冠硬化症・脳動脈硬化症・ネフローゼ症候群の如き動脈硬化性疾患群における血漿フィブリノーゲン量,血液線溶活性,血清脂質としてはβ-リポ蛋白,総コレステロール値,中性脂肪を測定し検討した.動脈硬化性疾患群では,血漿Fbg増量ならびにantiplasmin levelの増加により血液線溶活性の低下が認められた.心筋硬塞発作後,予後不良例においてフイブリノーゲン増量およびactivator活性の抑制傾向が継続した.