高血圧症,脳血管障害における経過および予後と脳循環動態
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概要
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381例の高血圧症,脳血管障害につきN2O法による脳循環測定をseria1に行ない,その経過,予後と脳循環動態との関連を求めた.高血圧症を種々の因子により検討すると,高血圧患者の脳血流量(CBF)に最も大きな影響を与えるものは血圧管理の良否であつた.肥満そのものの影響は少ないが,肥満者にみられる脂質異常はCBFを減少させる方向に働く.高血圧症のCBFと,後に脳血管発作をきたしたものの発症前のCBFとの間には有意差を認めなかつた.高血圧から脳血管発作をおこすと,頭蓋内出血や重症,中等症の閉塞性脳血管障害ではCBFは有意差をもつて減少する.発作2〜3カ月後のCBFは閉塞性脳血管障害重症例で改善がみられず,中等症では発作直後のCBFは低値でも有意に上昇する.軽症例では発作後のCBFはほぼ正常範囲にあり,その後も変化しない.発作後1カ月以上たつてもCBFが低値にとどまるものから死亡,再発作例の生ずることが多く認められた。
- 社団法人 日本内科学会の論文
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