狭心症重症型にかんする研究
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概要
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狭心症の中で心筋硬塞を発症, あるいは突然死を招来するような重症型を内容的に整理する目的で, 以下の検討を行なつた. まず労作狭心症をNYHAの分類にしたがつて4群に分け, これと情動狭心症, 安静狭心症について, 血圧, 心拍数, 心筋酸素消費, 心電図の面から検討した. また, 特にこの中の重症型につき発症の様式, 予後につき検討した. 1) 労作狭心症は発症に際して, 心拍数増加, 血圧も増加傾向, 心筋酸素消費を代表する指数はいずれも増加を示すが, 重症になるに従い, これ等の増加率は少なくなる. 2) 情動狭心症も同様であるが, 血圧が特に著明に増加する. 3) 安静狭心症は前二者と異なり, これらの因子が狭心症発症に関与しているとは考えにくい. 4) 心電図変化は重症型になるに従いST, Tの上昇を示すものが多い. 5) 重症型については発症の様式, 合併症などにより予後に若干の違いはあるが, 4カ月以内に不幸な転機をとることが多く, この期間の適切かつ充分な治療が重要である.
- 社団法人 日本内科学会の論文