各種貧血症心についての心電図学的ならびに病理組織学的研究
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概要
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白血病・再生不良性貧血・鉄欠乏性貧血・溶血性貧血および悪性貧血などを対象に,各貧血例の臨床検査と安静時心電図および運動負荷心電図を検討した.その結果貧血が高度になつても安静時心電図には著変を認めず,また運動負荷心電図所見においてはHb濃度8.0g/dl以下の例でSTV5〜V6の降下と軽度右房負荷がみられた.これら症例中の剖検心重量,左室壁の厚さは白血病・再生不良性貧血ともに増加し,特に再生不良性貧血例でその傾向は大きい.心病変は白血病においては白血病細胞浸潤および出血がその主な変化であり,再生不良性貧血では線維化,消耗性色素出現など退行変性病変が多く,出血はきわめて少ない.異常所見心電図の心病変を検討した結果,心筋退行変性所見の強い例には異常心電図所見が多い.再生不良性貧血の多量輸血症例で種々の不整脈発現頻度が多い.
- 社団法人 日本内科学会の論文