内因性高トリグリセライド血症にかんする研究糖ならびに遊離脂肪酸代謝面よりの検討
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概要
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高トリグリセライド(TG)血症の成因を検討する目的で, 50g経ロブドウ糖負荷試験にて糖尿病型を示すもの47名,非糖尿病型を示すもの38名につき,各種因子の有機的関係を求めてみた.両群とも血清TG levelは肥満度と正の相関を示し,さらに高TG血症を示すものは両群において,耐糖能がより低下し,これにともない糖負荷後の遊離脂肪酸の減少も遅延していた. insulin分泌状態は糖尿病群でTG levelによる差が存しないが,非糖尿病群では,高TG血症を示すものでは分泌の亢進が認められた.イヌを用いた動物実験では連続的高遊離脂肪酸血症により高TG血症が発生すること, insulinにより糖質依存の脂肪酸の肝TGの脂肪酸部分への入り込みが正常犬,糖尿犬ともに亢進されることを示し,これらより高TG血症のある時期では,肝において糖質ならびに遊離脂肪酸よりのTG合成が亢進しており,これこinsulinが関与している可能性を示した.
- 社団法人 日本内科学会の論文