X線心陰影の計量診断数量化理論による心陰影の判別および心重量推定式の作成
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概要
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X線心陰影の客観的診断法を開発するために,背腹方向心陰影の計測値を用い,数量化理論により心疾患を鑑別する判別関数,および心重量を推定する式を導き出した.本態性高血圧,腎性高血圧,僧帽弁膜症,大動脈弁膜症の計73剖検例,および心重量正常の前記以外の疾患23剖検例につき,心陰影左縁と各肋骨下縁の交点から正中線までの水平距離を,右縁では最大値を示す上記距離をはかり,それらの計測値とその組合せからえらんだ14のパラメータを用いて,上記5群の同時鑑別を行なつた結果,対象96例中92例(95.8%)という高い適中率がえられた.心重量の推定には上記症例に加えて,心重量300g以上の39例,計135例を用い,身長,胸郭横径,年令,性を含む17の計測値により心重量推定式を作成した.本式によりえられた心重量推定値と剖検時実測値は0.87という高い相関をもつて一致した.
- 社団法人 日本内科学会の論文