α2マクログロブリン臨床的研究血清の抗線溶能α2マクログロブリン
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概要
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フィブリン平板法,フィブリン溶解時間法および改良したフィブリン寒天電気泳動法を用いて,血清の抗線溶系に関与する因子について検討した.フィブリン寒天泳動法で, α2, β, γの3種の線溶阻止帯を認めたが, α1領域には認めなかつた. α2とβの阻止帯はUK法およびEug-SK活性化を通じてみられ,また24時間後も不変であるがγの阻止帯は6時間ないし8時間で消失する.前二者は狭義の抗プラスミンであり, γの阻止帯は抗SK抗体と考えられ,プロアクチベーター・アクチベーター系に対する抑制作用を示すものと思われる. 60°C 10分加熱血清をフィブリン溶解時間法で測定するとα2M値は抗線溶能との間にr=0.59, P<0.001の相関があり, α2Mの著増を示すネフローゼ症候群の抗線溶能にはα2Mの関与が大である.精製α2Mは3.84×10-7Mの濃度をこえる部分で抗線溶能と直線関係を示し,またα2Mの電顕像は“H”+“I”の形を呈し, α2Mの化学量論的結合を示唆する所見と思われる.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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