血行動態と左室心筋代謝の関連について 右心身荷心疾患を中心として
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概要
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右心負荷心疾患に属するMS21例, ASD25例を対象に,右心カテーテル検査時に冠静脈洞カテーテル法を併用して,血行動態と左室心筋代謝の関連につき検討した.まず血行動態面からSarnoffのTTIに準じ,右室圧より右室TTIを算出した.これは右室負荷の一示標となり得る.その他, CI, CWI, SERI, max-dp/dtを取り上げた.他方代謝面では心筋酸素摂取率,心筋RQ, XL,糖質一,脂酸酸葉摂取率を算出した. MSでは右心不全の発生と共に左心送血量は減少し, ASDでは正常ないしやや高めとなる.また容量仕事力と心筋酸素摂取率とはMSで逆相関し, ASDで正相関を示す.また心筋RQとXLとはMSで逆相関したが, ASDでは特別な相関は認められない.心仕事力の維持には両群とも脂質燃焼が関与するが, ASDでは多少趣きを異にした.すなわち心不全が発生しても脂質依存を保つが, MSでは右心不全が発生すると脂質依存度は減少を示した.
- 社団法人 日本内科学会の論文