糖尿病の線溶系についての臨床的研究 : 未治療時の態度と治療による変動を中心として
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概要
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近時,イソスリンに加えて経口抗糖尿病薬が続々開発され,糖尿病患者の生命は延長しつつある.しかし治療による血糖・尿糖の良好なコントロールにも拘らず,血管合併症の急激な進展を阻止し得ない場合がある.動脈硬化症や血管内血栓症などの血管障害と線溶系との関係が論議されている折柄,糖尿病の病態を線溶面から把握するため治療前後の線溶能を測定した結果,未治療時における高フィブリノーゲン血を伴う線溶能低下と,インスリン注射後の線溶能促進,およびSU薬(tolbutamide)・biguanide薬(buformin)投与後1〜2週の線溶促進が5〜6週後にreboundする傾向を認めた.さらに,血糖値と線溶能との関係を同時採血の検体で,未治療早朝空腹時および糖負荷試験実施時に測定し,検討した.また脂質と線溶との関係を検討するため,未治療時に血清総コレステロール値とユーグロブリン溶解時間および血漿フィブリノーゲン量を同時測定し考察を加えた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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