二重標識法による血中尿中アルドステロン測定法と正常人ならびにアルドステロン症における測定値の検討
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概要
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二重標識法による体液aldosterone測定法の回収率,特異性,精度,正確度などについて検討し,臨床上に応用しうるように試みた,本法による正常成人普通食餌における末梢血中濃度は2.6mμg/100ml(臥位), 14.6 (4.1〜31.4)mμg/100m1(立位)で尿中排泄値は3.3 (1.2〜7.9)μg/日である.原発性アルドステロン症26例,続発性アルドステロン症7例(Bartter症候群2例を含む),K喪失性腎疾患3例,良性本態性高血圧症32例について尿中aldosterone排泄値をNa排泄値と関連して検討した.結論として, (1) Na排泄値が150mEq/日以上のときのaldosterone排泄値の変動が少ない. (2) 原発性アルドステロン症5例とBartter症候群1例のaldosterone排泄値は有意な増加を示さず,その原因は高食塩食による高度の体内K喪失によるものと思われる. (3) 原発性アルドステロン症の測定値の解釈には,腺腫の自律性の不完全なことを考慮する必要がある. (4) 肝または腎機能低下した続発性アルドステロン症の尿中排泄値の意義は少ない.
- 社団法人 日本内科学会の論文