全身性紅斑性狼瘡患者末梢血リンパ球のDNAに対する反応性
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概要
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最近リンパ球は免疫有能細胞として注目されており,すでにある抗原に対して感作されている個体より得られたリンパ球に同一抗原を加えてin vitroで培養することにより,リンパ球の芽球様変形および分裂が認められると報告されている.またSLE患者血清中には抗DNA抗体が証明される.そこで著者はSLE患者末梢血リンパ球にcalf thymus DNAまたは凍結融解して破壊したヒト白血球を添加して培養を試みた.対象はSLE群18例および対照群33名であり,この結果calf thymus DNAの添加によりSLE群で特異的に培養リンパ球の大型化および芽球様変形を認めた.なおこの変化はsteroid使用者では抑制された.破壊人白血球添加培養では一定した成績が得られなかつた.次にSLE患者リンパ球にphytohemagglutininを加えて培養を行なつたが,一部の症例で正常人と比較してリンパ球の反応性の劣るものを認めた.その原因としてsteroid療法の影響,腎機能障害などが考えられた.
- 社団法人 日本内科学会の論文