脂溶性ビタミンB2 (riboflavin tetrabutyrate)のp-dimethylaminoazobenzene (DAB)発癌ないし障害白鼠肝に対する作用とくに抽出粗酸化脂質のESRスペクトルと数種酵素活性の変動の面から
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概要
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わたくしは癌組織においては,変性組織と明らかに異なる電子構造の異常が存在し,少なくともその一部が細胞顆粒に存在する燐脂質を含む機能リポ蛋白(または活性錯化合物複合体)におけるradicalのtrap,またはspin relaxationが正常のそれと異なることに依存するという実験成績をえた.そして量子生物学的にみて,これが癌組織内過酸化物に生ずるcis-trans共軛methylene dieneにその源を求め,この常磁性の変化が癌特有の酵素活性の変動を招くものと推論した. B2-ButはDAB変性肝にけるESRスペクトルの強度を減ずるが,発癌肝にける特異なESRのシグナル(g=2.035)には影響はおよぼさなかつた.同様のことは, mitomycin C投与白鼡肝においても見られ,この種の特異的変化に対する薬物の開発は,今後の研究に俟たれることとなつた,しかしいずれにせよこれらの変化は未だ推測の領域をでず,その本質的解明は今後行なわれる幾多のモデル実験を総合した上でえられることはいうまでもない.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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