大動脈炎症候群の成因にかんする免疫学的研究 : (2)螢光抗体法
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概要
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蛍光抗体法直接法を用いて大動脈炎症候群における免疫学的研究を行なつた.大動脈抗原は大動脈中膜(主に外膜側)・外膜の弾性線維にかこまれた部位に存在し,細網状または均等構造を有していた.補体結合反応による抗大動脈抗体価1:20の大動脈炎症候群2例に特異蛍光をえた.他の補体結合反応による抗体価が1:5であつた1例,陰性であつた2例の大動脈炎症候群3例,抗体価陰性の他疾患3例合計6例では,いずれも特異蛍光は得られなかつた.大動脈炎症候群において,かかる弾性線維間に介在する物質が,その抗原抗体反応に関連をもつこと,本症の発生上,自己免疫的機序の関与している再能性を考察した.
- 社団法人 日本内科学会の論文